証券営業回顧録 ~証券会社の営業が過渡期にある~

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本日は私が証券営業マンだったころの話をしたいと思います。

最近、私の会社に学校を卒業したての初々しい証券マンが勧誘に来ます。

4~5社ほど来たと思います。

正直言って新人証券マンから得る有益な情報など皆無です。

しかし、私も11年ほど証券営業をしていたので、邪険にするのも気の毒です。

よって名刺交換をして世間話程度はします。

今後、取引するかどうかは証券マンの人間性次第ですが・・・

彼等と話していると、自分が証券営業に携わっていた頃を思い出してきたのでブログに書きたいと思います。

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大量推奨販売という禁じ手

私は1988年にその当時中堅証券といわれていた銀行系の証券会社に入社しました。

手厚い研修を受け2ヶ月後には即戦力として支店に配属されます。

1日に100~200枚ほど名刺を持って、飛び込み営業をします。

当時は株式ブームに沸いていたので、真面目に営業活動すれば月に10件ほど新規顧客ができました。

入社当時は「二年目でお父さんのボーナスを抜くと思ってください。なんて言われた時代です。

まさに「奢てる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし」です( ノД`)

また営業手法は、後に社会問題にもなった大量推奨販売という禁じ手が主でした。

会社あるいは支店サイドで集中販売銘柄という名目で数銘柄取上げ、資料を持ち歩き、その銘柄を顧客に買ってもらうのです。

集中販売銘柄以外の銘柄を推奨してもいいのですが、あまり成績になりません。

また、バブル経済最盛期なので、どのような株でも値上がりしました。

株が下がるなんて考えたこともありません。

いまとは雲泥の差です。

いまは株が一本調子で上がるなんて考えられません。

投資信託の販売もあったのですが、少額でたいして苦になりませんでした。

「嫁にやるなら証券マン」から「スーツを着た〇〇〇」へ

しかし、このような環境も長続きせず、1989年の大納会に日経平均は38,915.87円の大天井を付けました。

この後の下落相場は月足を見ればおわかり頂けると思います。

バブルが崩壊し、株式市場からの投資家離れは著しく、証券会社に勤めていることさえ隠したくなる日々の始まりです。

入社当時は「嫁にやるなら証券マン」とまで言われた花形職業から、「スーツを着た〇〇〇」とまで言われるようになりました。

特に個人投資家の株式離れは顕著で、出勤しても全く売買注文がもらえません。

会社にいても仕方ないので、9時過ぎから「営業に出て行け!」と言われます。

こんな時期に営業しても無駄なことは、誰の目にも明らかです。

株が好きで証券会社に入社したのに、会社や支店サイドで決めた魅力のない銘柄を買ってもらう。

新聞もろくに読めない上司に株や経済のことを尋ねても、まともな回答を得られない。

挙句の果ては「鯛で海老を釣ってこい!(そんなもん釣れるか!)」との変な日本語が飛び出します。

この日本語どこかおかしいと思いませんか?

「海老で鯛を釣る」ですよね。

 

一匹狼として生きていく決意(実は投資信託を売るのが嫌だっただけ)

そこで私は、9時過ぎに営業に出るといって、17時まで図書館で過ごしました。

1年ほどで経済書や株式関連書物を中心に何十冊もの本を熟読しました。

人生で一番勉強したのがこの頃だったと思います。

営業マンがこのような調子で会社が存続するはずがないです。

このころから証券会社は株式手数料が上がらないなら、投資信託で手数料を稼ぐ戦略に舵取りをしました。

入社当時から投信販売に対してはアレルギー反応を示していた私にとっては、我慢できません。

営業職とは決別して、一匹狼として生きていくことを決意したのです。

実は投資信託を売るのが嫌だけだったのですが(笑)

天にも昇る勢いであった証券業界が2~3年にして奈落の底に突き落とされたのです。

マスコミの証券会社叩きも厳しかったと記憶しています。

いまの政治家や芸能人の不倫叩きと似ています。

日本のマスコミは集中攻撃しますからね・・・

このような理由で私は大学卒業後に入社した証券会社を退職しました。

その後は、東京の某経済研究所でアナリストとして企業調査をしました。

アナリスト退職後はディーラーとして10数年間を過ごし、現在に至っています。

この時代の裏話もたくさんあるのですが、それは別の機会にします。

 

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変わりゆく証券営業

私が営業マンだった頃からの証券営業は様変わりし、2000年以降はPCの普及とともに、株式売買はネットが主流となっています。

昔ながらの対面営業での株式売買の比率は著しく低下しています。

今の証券営業は株式売買手数料より、投信販売、外債販売、仕組み債販売が主流だそうです。

証券営業もかなり変わりました。

自分の証券マン時代が懐かしくなり、久しぶりに現在の証券会社の様子を聞こうと、先日某証券会社の支店長と食事をしました。

支店長といえ、私より若くサラリーマンとしては立派な実績があるので若くして支店長に抜擢されたやり手です。

私はサラリーマン失格人間なので、若くして出世された方を尊敬しています。

ただ、証券マンとして尊敬するのではなく、サラリーマンとして尊敬しているのですが。

特に日本企業では「忠犬ハチ公」のような、上司に従順で、白いモノを黒い!と言われれば、「はい!黒いですね」と言える人間しか出世できません。

証券会社では、お客さんに儲けさせるより、会社に儲けさせないとダメなのです。

これができなかった私は、サラリーマンとしての人生から脱落せざるを得ず、ディーラーという一匹狼の世界に身を置くことになったのです。

本日は株式投資の勉強から逸脱しましたが、証券業界の裏事情等、内部の人間にしかわからないことってたくさんあります。

以前の勉強会やセミナーでも業界裏事情が一番ウケました。

私は組織に属していないので、言いたいこと言えますしね(^^♪

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

次回の「株式投資塾 獣道」は9月16日です。

これからもよろしくお願いいたします。

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