
みはさん、お盆休みはいかがお過ごしですか。
私は避暑地からブログを書いています。
現役を引退してからは、地域おこしにも参加しております。
大阪で生まれ育ったため、田舎がなく、田舎暮らしにすご~く憧れているのです。
いまやPCとモバイル端末があれば、私の仕事はどこでもできますから・・・
いずれは田舎に永住しようと考えているのですが、なかなか家族の同意を得ることができません(/ω\)
証券会社を退職し6年ほど経ちますが、証券業界に30年近くいると本当にいろいろなことに遭遇しました。
みなさんが驚くような、業界の裏話も書きたいのですが、ブログで書くにはちょっと・・・
個人トレーダーの方との飲み会や以前開催していた株式勉強会でも、この業界裏話や仕手筋の裏事情の話が最もウケがいいのですが、それはまたの機会にお話しできたらと思います。
本日は少し学術的になりますが「市場は効率的か?」という問題を取り上げてみたいと思います。
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証券分析は有効か
証券投資理論では、株価がファンダメンタルズを適正かつ迅速に反映して形成されるとき、市場は効率的であるといいます。
機関投資家のシェアが高い株式市場においては、株価がファンダメンタル価値に基づいて形成される傾向が強く、ファンダメンタル価値から大きく乖離することは少なくなっていくと考えらます。
このように株価がファンダメンタル価値を反映していると考えられる市場を「効率的市場」と呼ぶのです。
しかし、完全に効率的であると、分析による割安株の発掘が困難になります。
なぜなら公表されている情報はすでに株価に織り込まれていることになるからです。
逆に非効率的な場合は、ファンダメンタル価値に比べ割高、割安な銘柄が多数存在することになります。
では非効率的な市場においては、証券分析が有効に機能するのでしょうか。
非効率的な市場では割安な銘柄を発掘しても、非効率であるがゆえ、その銘柄が割安だと他の市場参加者に認識されるまでに、相当な時間を要するものと思われますよね。
よって完全に効率的な市場では、割安銘柄の発掘は困難であり、非効率な市場では、割安銘柄を発掘したとしても、報われるかどうかわからないという結論に達するのです。
投資家にとって理想とされる市場とは、「完全に効率的」と「非効率的」の中間に位置する「ある程度効率的」な市場ということになります。
著名投資家ウォーレン・バフェット氏は最近のアメリカ市場について「かなり効率的だが、みんなが思っているほど効率的ではない」と言っています。
私自信、日本市場も同じであると思います。上手く割安株を発掘できれば、パフォーマンスの向上は可能であると思っています。
以上は「ビジネスゼミナール 証券分析入門」著者 井出正介 高橋文郎 日本経済新聞社 を参考にさせていただきました。
時間のある方は、一度読んでみてはどうでしょうか。
入門となっていますが、けっこう読み応えがあります。
ウィーク型、セミストロング型、ストロング型
「完全に効率的」と「非効率的」の中間に位置する「ある程度効率的」な市場が投資家にとって理想的であると説明しました。
また、現在の日本市場は「かなり効率的だが、みんなが思っているほど効率的ではない」ということも書きました。
日本市場に限らず先進国の株式市場を効率的か非効率的かに分けるならば、効率的ということなるのでしょうね。
しかし、完全に効率的な市場では、情報に基づいて株式を売買しても儲からない。では、市場はどの程度効率的なのでしょうか。
ウィリアム・シャープの効率的市場の定義
ウィリアム・シャープはその効率性の程度に視点をあて、3つに区分して効率的市場を定義しています。
ウィーク型の効率性、セミストロング型の効率性、ストロング型の効率性です。
以下この3つについて簡単に説明いたします。
ウィーク型の効率性;
「過去の株価や出来高などを分析しても、市場が効率的であれば超過リターンは得られない。」
すなわち、テクニカル分析の有用性を否定しています。
ここで注意していただきたいのは「超過収益を期待できない」のであって、勝てないと言っているのではありません。
平均以上の収益(超過収益)を期待できないと言っているのです。
セミストロング型の効率性;
「財務指標など全ての公開情報を分析しても、市場が効率的であれば超過収益は得られない。」
すなわちファンダメンタル分析を否定になります。
ストロング型の効率性;
ストロング型の効率性の定義においては、インサイダー情報に基づく超過収益をも否定しています。
しかし、ストロング型は強い仮説であるのですが、インサイダー情報による売買は法律による規制があります。
これはインサイダー情報よる売買は超過収益が得られることの裏返しなのです。
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市場の効率性についての検証結果
以上3つの効率性について書きましたが、米国株式市場では、市場の効率性についての検証結果が報告されています。
検証結果によれば、米国株式市場においてはウィーク型で効率的、セミストロング型では必ずしも十分効率的とは言えず、ストロング型の効率性は当てはまらないらしいです。
日本市場の場合、米国同様ストロング型の効率性は当てはまりません。
これは読者も納得できるのではないでしょうか。
しかし、セミストロング型、ウィーク型ではどうでしょう?
私見といたしましては日本市場の場合、セミストロング型、ウィーク型のおいても、十分効率的とは言えないと考えています。
是非、学者の方々に検証していただきたいものです。
デイトレーダーやスウィングトレーダーには、無意味な内容であったと思いますが、酒席での話題ぐらいにはなるでは?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
8月13~16日は、お盆休みをちょうだいさせていただきます。
次回の株式投資塾「獣道」のブログの更新は8月19日を予定しております。