投資信託、ここが知りたい! ~その4 個別元本と分配金~

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「フィデュ―シャリー・デューティー」(Fiduciary duty;顧客本位の業務運営)という言葉を聞いたことありますか?

fiduciaryとは「信用上の」「信託の」
dutyは「義務」「任務」「職務」

といった意味があります。

直訳すれば「信用上の義務」「信託の任務」で、金融の現場では「受託者の責任」といった感じで使用されます。

冒頭からなぜ、このような横文字を掲載したかというと、賢く見せるためです(笑)

嘘です。

この言葉が「独り歩き」する可能性を危惧しているのです。

これは資産運用を受託した者が、資産運用を委託した者の利益を最大化することに務める義務があり、不利益になるような行動をしてはいけません!

っということなのです。

わざわざこんなことを言わなくても、当たり前のことですよね。

その当たり前のことができていなかったからフィデュ―シャリー・デューティーなる難しい横文字の言葉を金融庁が求めだしたのです。

「金融商品の販売・開発に携わる金融機関に対しては、顧客(家計)の利益を第一に考えた行動がとられるよう、また、家計や年金等の機関投資家の資産運用・管理を受託する金融機関に対しては、利益相反の適切な管理や運用高度化等を通じ真に顧客・受益者の利益にかなう業務運営がなされるよう、フィデューシャリー・デューティーの徹底を図ることとし、これにより、国民の安定的な資産形成への貢献を促す」

わざわざ金融庁が、こんなことを言うのですから、日本の金融機関というのは、いかに顧客の利益を蔑ろにしていたのかを、公にしたようなものです。

「フィデュ―シャリー・デューティー」については、また詳しく取り上げたいと考えています。

金融機関に食い物にされないように、投資信託の勉強をしましょう(^^♪

投資信託のことを知っている方には、金融機関も強引な勧誘はしないはずです。

投資信託の知識を見つけて「Smart Money(賢い投資家)」になりましょう(^^)/

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分配金が支払われると基準価額は下落する

まず最初に理解していただきたいのは、分配金が支払われると、その分だけ基準価額も下落するということです。

基準価額とは投資信託の資産総額(純資産額)を口数で割ったものでしたよね。

基準価額=純資産額÷口数

この純資産価額には運用収益(売買損益、配当収入、利息収入等)や評価損益が反映されています。

その一部が分配金として支払われるので、分配金が支払われると、その分だけ純資産額は減少します。

よって分配金を支払った後は、その分基準価額が下がるのです。

また投資信託によっては大きく基準価額が値上がりしているのに分配金を支払わないものもあります。

投資信託の分配方針に規則はないので、運用者が設定時に決めた方針にしたがって分配すればいいことになっています。

この分配方針は投資信託説明書で確認できます。

毎月分配金を出す投資信託がある一方、分配金をほとんど出さない投資信託もあります。

資産形成ということを考えると、分配金を頻繁にださない投資信託の方がいいと思います。

以上のことを念頭に置き、本日のブログを読んでください。

投資信託保有者で、それぞれ異なる個別元本

前回は基準価額=個別元本=10,000円との仮定でした。では追加型投資信託を複数回に分けて買付けた場合を考えてみましょう。

わかりやすくするために、Aさん、Bさん、Cさんの三人が、それぞれ追加型投資信託を3回に分けて買付けた場合を考えます。

分配金の全額が普通分配金になる場合

<Aさん>
10,000円 10口
10,200円 10口
10,400円 20口

(10,000円×10口+10,200円×10口×10,400円×20口)÷(10口+10口+20口)=10,250円となり、個別元本は10,250円となります。

この投資信託が10,500円まで上昇し200円の分配金を出した場合、個別元本である10,250円を上回っているので、全て普通分配金となります。

分配金受取り後の個別元本も10,250円のままです。

また、基準価額は10,500円-200円=10,300円です。

<Aさんの事例>

分配金が普通分配金と特別分配金になる場合

<Bさん>
10,200円 30口
10,300円 30口
10,450円 40口

(1,0200円×30口+10,300円×30口+10,450円×40口)÷(30口+30口+40口)=10,333円となり、個別元本は10,333円となります。

この投資信託が10,500円まで上昇し200円の分配金を出した場合、個別元本である10,333円を上回っている167円は普通分配金となり33円は特別分配金となります。

普通分配金と特別分配金を受取った後の個別元本は10,333円-33円=10,300円になります。

また、基準価額は10,500円-200円=10,300円です。

<Bさんの事例>

分配金の全額が特別分配金になる場合

<Cさん>
10,400円 20口
10,600円 20口
10,700円 10口

(1,0400円×20口+10,600円×20口+10,700円×10口)÷(20口+20口+10口)=10,540円となり、個別元本は10,540円になります。

この投資信託が10,500円まで下落し200円の分配金を出した場合、個別元本である10,540円を下回っているので200円全額が特別分配金となります。

特別分配金受取後の個別元本は10,540円-200円=10,340円となります。

自分が買付けた投資信託から強制的に200円出金されたようなものですよね。

この200円を受取って、毎月分配金が受取れるので嬉しい!なんて思わないでくださいね。

また、基準価額は10,500円-200円=10,300円です。

<Cさんの事例>

 

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毎月分配型投資信託は「お得」なの?

上記の例のように、特別分配金とは名称こそ分配金となっていて、あたかも配当や利子を受取り、得した気分になりますが、自分の口座から勝手に出金されて他の口座に移し替えられただけなのです。

特別分配金というより「元金取崩し金」といった方が、しっくりきますよね。

「年金代わりに、お小遣いを!」といった宣伝文句で大流行した毎月分配型投資信託ですが、最近は「たこ足配当」が目立ちます。

また、資産運用は複利の原則を利用してこそパフォーマンスの向上が期待できるのです。

このように考えると毎月分配型投資信託を買うことに意味があるか疑問です。

分配型の投資信託の中には、分配金を現金で受取るのか再投資するのかを選択できるものがあります。

投資家のライフステージにもよりますが、このような場合は、迷わず再投資する方を選択するのが賢明だと思います。

投資信託とは長期間保有することを前提としてつくられている金融商品です。

毎月のように分配金をだすような投資信託に資産価値の増大を期待できるのでしょうか。

よって、投資信託を買う場合は、決算回数(分配金を出す回数)の少ない投資信託の方が、資産運用という目的のためには適しています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

これからもよろしくお願いします。

 

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